「あー、またPHPか…」そんな声がネットで聞こえてくる。最近、「コドモン」や「シャドバ」の他にも「BASE」やさくらのレンタルサーバなどが緊急メンテナンスに突入した。PHPという言語の脆弱性が、多くのサービスを揺るがしているのだ。
この事態を見ると、サービス提供側の本音が垣間見える。多くの企業がPHPを採用している背景には、コスト面での優位性があるだろう。しかし一方で、その脆弱性は常にユーザーの不満を招き、頻繁なメンテナンスが必要とさせる。便利さとリスクは常にセットなのである。
なぜ多くのサービスがPHPを使うのか

PHPがまだ広く使われているのは間違いない。開発が簡単であることが主な理由の一つだが、それが全てではない。多くのサービスがPHPを選択している背景には、開発の容易さだけでなく、既存のシステムとの互換性や人材の確保といった要因も大きいに違いない。
とはいえ、利用者の利便性を考慮して定期的なメンテナンスを行う必要もあるだろう。
一方で、「はてな」のようにScalaを選択する企業もある。異なる技術選択をすることで、独特のアプローチや新たな価値を創造することも可能だ。「PHPだけが全てを解決するわけではない」という視点も大事である。
しかし、他の企業やサービスの問題を眺めているだけでは解決しないのもまた事実だ。世界中にあるWordPressサイトたちは、同じように問題に直面していることだろう。報道からは読み取れないが、おそらく同じような苦労をしているに違いない。
それを他人事とはせずに、自分たち自身のサービスの改善に取り組むべきである。
サービス停止の判断は適切なのか

サービス停止の判断は、利用者の不便を考慮した上で行われている。多くのサービスがPHPを使用しており、脆弱性対応のためのメンテナンスが頻繁に行われていることから分かる通り、事業者は利用者の不利益を最小限に抑えようと努力している。
しかし、実際には夜間や休日の対応を選択したのは企業にとって都合が良いからである。これが「止めてるサービスはまともな判断ができる企業」の典型的な例と言える。
一方で、PHPを使っているにもかかわらずメンテナンスを止めているサービスは、「イケてる仕組みがあるのか、あるいは本当にかなりヤバい企業」のどちらかに該当する可能性が高い。
「世の流れ」に合わせてメンテナンスを行うことで、企業は利用者からの不満を避けつつ自身のサービスの安全性をアピールすることができる。しかし、この判断は結局、企業が最も大きな利益を得られるように設計されている。
そして、「止めてないサービスは危うい」という声も当然のように上がり、サービス提供側の本音が露呈することになる。
エンジニアの夜間や休日の対応は感謝すべきか

多くのサービスがPHPを利用しているため、脆弱性が見つかったときの緊急対応は避けられない。その結果、多くのエンジニアが夜間や休日に呼び出されることがままある。ユーザー側もこの現実を受け入れるべきだろう。深夜や休日の対応はサービスの安定稼働に不可欠だからだ。
「夜中に頑張っているエンジニアさんたちに幸あれ」といった言葉は、感謝の気持ちを表現するのに適している。
しかし一方で、「技術者には単価を20%アップするのが相場」という意見もある。深夜や休日の価値は大きく、その分の労働には対価が見合うべきだ。ただしその決定権は人事部門ではなく、現場の声にこそあるべきである。「伝言ゲームしかできない人ばかりいたらリストラで」というのは言い得て妙である。
エンジニアの価値を企業が適切に評価し、給与に反映させるべきだ。感謝されるだけでは、エンジニアは幸せになれない。
報道からは、深夜や休日に働かされるエンジニアたちの実態が読み取れる。しかし誰もがそれを解決するために、現場の声を尊重し報酬に反映させることが求められる。それ以外の方法では、誰も幸せにはなれないのだ。
出典: https://www.itmedia.co.jp/news/article/2610/21/2000002472/